シリーズ ・
旅行記




『軽井沢』

9月22・23日


よしむらじゅんぞう
吉村順三

あまりにも有名な「軽井沢の山荘」を訪ねる機会を得てしまいました。

建築を学んだ学生なら必ずその図面をトレースし、
そして何度となく写真でその姿を見てきた
あの建物です。

そして、吉村順三自身の著作
『小さな森の家・軽井沢山荘物語』(僕も持ってます。)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4874604838/qid=1098442549/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-2711858-8561945#product-details
に紹介されているとおりの、
まさに珠玉の建物。

その建物の現物を体感するとき、
そしてそれが想像を超えていたときの感動。
それを味わってきてしまいました。


 
いつものように同縮尺の北海道と浅間山山麓の避暑地「軽井沢」との距離感覚の確認。
北海道のすかすか感が地図上にもよく表れてますね。



軽井沢って、群馬・長野の県境のこんなすぐのところにあったなんて知らず、
今回またしても日本地理の無知さを思い知った次第。



初めて降りる新幹線軽井沢駅。
以前は、大学時代と桑沢時代に1回づつ来てます。



ゴルフ場が多い、駅南口2階から。



代わって、木々に囲まれた駅舎北口。


 
左地図、2.5qの縮尺の入った駅周辺、青が「三五荘」赤が吉村順三の山荘
右地図、旧軽井沢銀座通り周辺、矢ヶ崎川を渡って左に少し上った、赤吉村順三の山荘


 
矢ヶ崎川沿いの道を少し上ったところに、知っていると以外に簡単にある。


 
地番に「吉村の表札」


 
「おおっ、これだ!」という感じで迫ってくる。
現物を目の前にして練りに練った感じが伝わってくる、感動的に美しいプロポーション。



ミニコンサートを行ったという前庭から、みんなそれぞれに感慨を持って眺める。


 
1階RCのミニ暖炉と(図面によると)PCの縦桟が入った開口。


 
杉板の縦張りの外壁の押さえ縁が以外に細い。
考えてみると、ディテールは違うが、
当社がカラマツ板を縦張りしているのと同じ考えの仕上げ。



裏に廻って、見慣れないRC増築部分を見る。
こちらは新鮮なアングル。



裏も、開口の取り方全てが美しい。



増築部開口の納まり。


 
北面の道路からの遠景。
本当にさりげなくて控えめで、近づくと美しい。


 
スチールのキャンティのカーポート。
アングルを使用してこれまた繊細。



玄関までの階段にさらにはね出して架けたガラスの屋根。



北面道路境界の丸太材を使った簡単な木製柵。



訪れてすぐに思わず撮ってもらった、記念写真。

*

いやあ〜、よかった!
思いがけずいいものを見せてもらって、すごく得した気持になりました。

さっそく帰ってから、
『小さな森の家・軽井沢山荘物語』をまた開いて見、
そしてさらに、
以前に買ってあった1990年、同朋舎出版発行の
『吉村順三建築図集』をひもといてみました。
あの美しさの秘密は何か、
平面をトレースし、
ディテールを眺めていると、
開口部、特に障子の枠や組子のプロポーションがとても繊細で微妙ですばらしいのです。

これいただきと、赤間邸の居間に採用させてもらいました。

これからは、座右の書にして、
再び初心に帰り、研鑽の日々といきたいものです。


軽井沢・その2





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