新連載佑子の海外放浪記

   『何となく一人旅』 

2006年6月2日〜 


はじめに 
 
 2006年の3月いっぱいで会社を辞め、4月から12月半ばまで日本、アジア、ヨーロッパの一部を一人で旅行してきました。私の場合はできるだけ長く旅行をしていたかったわけでも、できるだけ多くの国に行ってみたかったわけでもありません。ただ行きたいところに行きたいタイミングで行く、ということだったのでルートは非効率的です。お金も特別節約していたわけでもありません。有名建築を見るなどテーマが決まっていた訳でもありません。一人になって自分と向き合うとかそういう哲学っぽいこととも無縁です。故に、誰かの参考になるような旅ではありませんが、何かの息抜きに楽しんで読んでいただけるとうれしいです。
 地名や建物の名前(京都のお寺は名前が似ていて....)を忘れてしまったり間違って覚えていたりする部分もあるかと思いますが、現在フランスにいて旅行中のメモなどを持っておらず自分の写真と記憶だけをたよりに一年近く前のことを書いておりますのでお許し下さい。


*

出発前 
 
 以前からいろいろなところに行ってみたいと考えていたのですが、バカンスのない日本では仕事を続けながらどこかに行くというのはとても難しいことです。ものすごく心が広くてお金持ちと結婚できれば別ですが、それはほとんど不可能に近く、ここは自分でなんとかするしかありません。特別すばらしいっていうわけではありませんが、今までわりとスムーズな私の人生を外れるようなことをするのはちょっと勇気がいることでした。でも学生の頃、校長先生が留年することに対して「一年留年したら一年長生きをすればいいんだよ。」と言っていたのを思い出し私も一、二年長生きをすることにして仕事を辞めて旅行に出ることにしました。
 出発前にしたことはフェリーの予約(小樽〜舞鶴と下関〜釜山)と国内の宿の予約。そして韓国最初の宿の予約です。お金とパスポートがあればなんとかなるだろうと思っていたので他の準備はあまりしませんでした。


*

最初は京都
 
 前の年のゴールデンウィークに一人で京都に行ったのですが、あまり多くを見て周ることができなかったのでまずは京都に行くことにしました。出発は小樽からのフェリーです。フェリーを選んだのは年中ほとんど同じ値段で安いものを探す必要がなく、なおかつ時間があるこういう時しか使えないと思ったからです。
 小樽を夜の11時すぎに出て京都の舞鶴には夜の9時頃着くのでほぼ丸一日フェリーの前の年のゴールデンウィークに一人で京都に行ったのですが、あまり多くを見て周ることができなかったのでまずは京都に行くことにしました。出発は小樽からのフェリーです。フェリーを選んだのは年中ほとんど同じ値段で安いものを探す必要がなく、なおかつ時間があるこういう時しか使えないと思ったからです。
 小樽を夜の11時すぎに出て京都の舞鶴には夜の9時頃着くのでほぼ丸一日フェリーの 京都には10日ほど滞在しました。前の年に市内の有名な所は見たので、今回は京都市外や滋賀や奈良なども訪れました。予約の必要な桂離宮、修学院離宮にも行きました。
 京都中桜が咲いていて非常にきれいでした。枝垂れ桜は特にきれいで感動しました。北海道の桜は桜じゃないと言われたことがあったのですが確かに全然違うと思いました。
 修学旅行で訪れた法隆寺のダイナミックさ平等院鳳凰堂の気品も改めて自分のペースで見ることができ感動的でした。中でも印象的だったのは円通寺の庭です。出発する直前に友達に勧められるまで名前も知りませんでした。庭自体は龍安寺の石庭みたいに石がうねっておかれている訳でもなくものすごく自然にちょっと荒れた印象ですが、比叡山のきれいさにはっとしてしまいました。お寺の暗い廊下からお庭まで比叡山を見るためだけに演出されているんだろうなと思いました。そしてこのちょっと荒れた感じに保つのは相当大変なんだろうなと思いました。
 ここはお庭のすばらしさだけではなくお坊さん?がおもしろい。入り口で無愛想にお金を徴収している方だと思うのですが、お庭の見える部屋に入ってお庭を見ようかと思った瞬間にスピーカーからお庭の解説の声が自動的に流れます。おそらくテープで録音したわけではなく一回ずつ入り口にいた方(お坊さん?)が話しているのだと思います。私が行った時はは私一人しかおらず、結構ぎょっとしました。どこかにカメラが据え付けられていてそれを見ながら話しているのでしょう。後から聞いた話ですがお部屋で寝転がったりすると寝転がらないようにと注意もされるらしいです。
 このお庭は数年後に建物が建つとかで景色が変わってしまうようなので、興味のある方はお早めに。


*


 

 


bunka top



Home