木村優のコラム
透視図

 カフェレストラン「VISAGE」
H13.05.11

 音喜多一さん・真理子さん夫妻(千歳市)がやろうとしていることに、バリアフリーというものを考えさせられる。夫妻は、札幌市白石区の菊水元町にバリアフリーのカフェレストラン「VISAGE(ヴィサージュ)」を開く。来週、地鎮祭がある。店はバリアフリーだから、むろん、体が不自由な人に配慮して二百三十一平方メートルの空間から段差や狭さなどの不自由をなくす。だが、バリアフリーはそうした域にとどまらない。

 店の名「VISAGE」はフランス語で、「仮面をとった人、素顔」といった意味なのだという。「あらゆる人に場を提供し、あらゆる人が楽しめ、自然に笑い顔になる店」(真理子さん)という意志をこめる。速やかにサポートできるよう、体が不自由な人用の駐車コーナーにはインターホンをつける。盲動犬が待機できる場を設ける。あらゆる人のためだから、ペットを飼う人のためにペットをつなぐ場を設ける…。例えば、そんな少しの例でこの店のバリアフリーがわかると思う。

 そうそう、「パソコンを使う人のためにテーブルにコンセントを」(真理子さん)もである。夫妻はそこまでこだわる。最近、バリアフリーで建てた知人の家を見た。段差、広さはバリアフリーだが、浴室は同居の親を介護入浴させるには不都合な代物だった。一つに思うのは、空間の作り手が音喜多夫妻の域までバリアフリーに徹底していいのに、ということだ。「店は頑張る人の場」とも言うのは、一さん。考えさせられるバリアフリーのもう一つのことは、明日の欄で書く。


カフェレストラン「VISAGE」
H13.05.12

 音喜多一さん」・真理子さん夫妻(千歳市)が札幌市白石区の菊水元町に開くカフェレストラン「VISAGE(ヴィサージュ)」の話を続ける。店はあらゆる人の場に」「頑張る人の場に」と夫妻は言うが、「店を地域や人の活性化の拠点に」を意図する。店にはミーティングスペースも設ける。バリアを払って人が集まり、そしてつながることを考える。

 「VISAGE」は従来の飲食業、画一的な飲食業から脱皮するもの。そういう言い方が固いなら、店の在り方もまたバリアフリーだと言える。一さんは料理教室を考えている。かつて小学校で行ったりした。真理子さんは、フラワーアレンジメントで集ってもらうことを考えている。駐車場をフリーマーケットに開放することも考えている。いろんな人が集まれば、いろんな展開があるだろう。さまざまなつながりができれば、さまざまな展開があるだろう。後は、自然発生の取り組みを楽しみにする。

 「バリアのないことこそ当たり前だから」「だれのためでもなく、自分たちのために」…。ごく自然にその店を発想したと、真理子さんは言う。バリアフリーが人々の中でこんな域にまで達しているのを重視したい。一さんはフランス、ドイツなどで修行をし、ノーザン・ホースパークの調理長を勤める。忘れてはならないが、むろん、レストランとして第一の売りはおいしい料理だ。「VISAGE」のオープンは今年十月五日の予定。たぶん、その日は雲一つない秋晴れだろう。

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