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▼三笠の武部建設(武部豊樹社長)が今、旧道立滝川畜産試験場に残った建物を解体している。以前同社の民家再生の取り組みついて取り上げたが、今度は機械庫だ。道から購入するに至り、こうするのだという。トラスや柱、はりを再利用し、元の姿に復元させる。そして、むろん、新しい命を吹き込むという。砂川の農業者が自立経営の道を考えている。その拠点施設にする話が待つそうだ。
▼その機械庫は木造、平屋一部二階、延べ約480F。規模は月並みだが、旧滝川畜産試験場が農商務省滝川種羊場だった時代、1921年に建てられた。北欧建築を取り込みつつ、入母屋風。北海道開拓の村にレプリカ(1985年再現)がある‥。要するに歴史的価値あるものだ。それが一企業に渡るに至ったことにはいきさつがある。ちょっとした変化に基づく。そして今後に期待したこと、問うものを見せる。明日も続けて書くが、語るものが少なくない。
▼8月1日、こんな道の入札が行われる。畜産試験場畜舎等解体-実は機械庫もそこに含まれ、姿を消すはずだった。つくる-壊すという従来システムに組み込まれた。しかし、最後は道の判断に生き残ることになった。武部建設が歴史的価値や保存・再利用の価値を説くと、庁内に理解が広がったという。最上層にも話が届くことになり、そして廃棄ストップの結論が出てきた。従来の行政なら、こう進んだろうか。行政は従来感覚だけでなくなってきている。まず、そのことが大きなことと思えるのだ。(7月27日)
▼旧滝川畜産試験場機械庫の保存復元と再利用-昨日の話を続ける。武部建設(三笠、武部豊樹社長)が訴え、それに道が反応し、姿を消すことが救われたわけだが、第二にこんなことが大きい。道は解体にストップをかけただけでなく、もう一つ判断する。踏み込んで、保存や再利用を無視しないシステムづくり検討へ動くと聞く。機械庫が特例でなく、先例になることを考えてみようというのだ。
▼行政の中に保存や再利用がきちんと位置づけられる。つくる-壊すという従来システムだけでなくなる。それは公共工事を変える。そうなるかもしれない始まりとしても、機械庫の一件は大きい。つくるー壊す、に公共工事は批判を受ける。税の使い方で問題にされる。思うに、つくったものにこだわることは公共工事を豊かにし、従来以上に北海道を豊かにする。評価される公共工事へ道を開く。一企業が動き、道が動いた。建設業は受け身でいられないことの具体例としても、このことは大きい。
▼北海道は次世代に何を残せるか。遺産の価値に目覚め、かけがえのない北海道を守り育て、確実に後世に伝えたいー。道は、これからの北海道づくりに「北海道遺産」を掲げる。なのに、道自ら管理する物を壊すところだった。「北海道遺産」を真に押し進める上で、大事な教訓となるだろう。このことでもまた、機械庫の一件は大きい。旧滝川畜産試験場機械庫は北海道開拓の村にレプリカがあるが、道は本物の存在を重視した。道行政の今後も本物に、の期待を込めて書く。(7月28日)
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