* その1 2 *
岩見沢市役所ロビーに、
しばらく、駅周辺模型が展示され、
市民から「どのような駅舎がふさわしいのか」
意見やアイデアを募集していたことがあったのを、
ご存知でしょうか?

*
その3 *

そして、
岩見沢駅舎建築デザインコンペが、
2005年1月31日締め切りで実施されました。

*
その4 *

その1次審査の発表が、
2005年2月15日ネット上でおこなわれるということでしたが、
16日になってやっと、その結果が公開されました。

1次審査前の一般公開日には、
本当に大勢の市民や関係者が見学に来ていました。
それだけでも、コンペをおこなった意義は大きかったと思います。
まず、前半は成功だったといえるのではないでしょうか。

*
その5 *

武部案のために制作した模型は、縮尺が1/50です。
敷地で150mくらいあるので、
模型の全長で3mもの大きさになりました。

*
その6 *

3月5日、
第2次審査のヒアリングが、公開で行われました。


会場は、駅横のコミュニティプラザ。
2階会場受付の様子。
道内応募の人たちなど、多彩な顔ぶれが来場しておりました。
同じ日に、4階マルチメディアホールでは、
古材のシンポジュームも行われていて、
そちらの来場者が約200名、
こちらの公開ヒアリングには、第2会場もあって200名ちょっと。
この日このコミプラ内には、500名近い人たちが集まっていたことになります。



会場セッティング。
スクリーンを前にプレゼンター、手前にL型に審査委員。
右手奥に応募者9グループが並ぶ。



内藤廣審査委員長のあいさつ。



審査委員席の内藤廣氏。



以下のラインナップで、応募者が全員着席したところ。
コン順番って、くじ引き?


1.

221

西村 浩

ワークヴィジョンズ

2.

693

河合 有人

竹中工務店北海道支店一級建築士事務所

3.

242

太田 理加

太田理加設計室

4.

249

香川 精二

香川精二建築設計事務所

5.

781

内海 彩・小杉 栄次郎

建築設計事務所KUS

6.

737

宮田 節男

宮田・田中建築研究所

7.

174

小島 真知

小島真知建築都市設計事務所

8.

571

清正 崇・田中 昭成

清正崇建築設計スタジオ一級建築士事務所
田中昭成ケンチク事務所

9.

83

玉田 源・玉田 朋子

プロトフォルム一級建築士事務所

もし間違いがあったときは、お許しください。



応募案を勝手に語ってみました。
応募者の意図からはずれた的を得ない文面があった場合は、
あくまで岩見沢市民の立場からみた勝手な視点と言うことで、
お許しください。



1番目に、トップを切ってよどみない語り口でプレゼンを行い、
「まあ、納得できるかな。」とみんなが思うのではないか、というところで落ち着いた、最優秀賞に輝いた西村案。

いろんな理由があるのだろうけど、PCのこの構造はどうなんだろう。
コンセプトも明快で、そこから導き出されたプランニングがいいですね。
左右のフロアーがスキップしてるのも、なかなかいい。
カーテンウォールが地盤面からではなく、
1層分レンガの壁で持ち上げられたところから始まるというのが、
壁派とカーテンウォール派の両方いいとこ取りをしていて、ちょっといいかも。
ただ、ホーム側の表情は、ピンとこないモノがある。
またレンガ軸とそれに沿ってイベントホールに伸びるベンチやフォーリィ、オブジェは、
気持はすごくわかるのだけれど、我々市民にとっては、「またか。」という感が強い。
杭から回収する地熱利用。



建築家審査委員にチャーミングさに掛けるとか、まとまりすぎているとか言われてましたけど、2番目、竹中・河合案。
しかし、北海道の本州とは全く別な自然状況を、身をもって知っている1次審査通過の応募案が、
たった1点だったとは、いかにも残念。
審査委員8人のうち、5人は地元北海道人だったのにね。
そういった意味では、北海道における岩見沢の事情を、そこそこ押さえてはいるし、
安心して見ていられる計画になっている。
カーテンウォール派。



3番目、太田案。
どちらかというと、壁派。
プレゼンのしゃべりが優しくてとてもわかりやすかった。
PCコンクリートに間接照明というのが、いまひとつピンとこなかったですけど・・・



これもいいかな、と思っていた
4番目、香川案。
完璧、カーテンウォール派。
武部案の「インナーストリート」(パッサージュ風)と共通するコンセプト「インナーガイロ」。
ただ残念ながら、「かたち」のイメージに、鮮烈さが残ってないのです。
これも、杭から回収する地熱利用。



優秀賞その1:建築家審査委員からシルエットの美しさで評価の高かった
5番目、内海・小杉案。


5番目、きれいな模型を前にプレゼン中の内海氏。
審査委員たちにさかんに指摘されていた落雪屋根形状とその対策処理が、
地元の我々からするとかなり無理があって、とても実現性のあるものではない。
そういった意味で、これが岩見沢である必然性に欠けるわけで、
むしろ雪の降らないところで、模型のようなイメージで実現できたらすばらしかったのにという思いはあります。
ということは、「岩見沢」に建つ駅、ということが前提にあるのに、
優秀賞に選ばれる、というのはどうなのだろうか・・・
壁派ともカーテンウォール派ともいえない変則派。
またまた、杭から回収する地熱利用。



優秀賞その2:前駅舎のシルエットでマンサード型にセンターホールを抜いた、
6番目、宮田案。
壁派。
よ〜く見ていくと、何ともセンターホールのヴォリューム、スケール感、階段、ブリッジの処理、
それらがすべて絶妙のセンスで構成されていて、とても美しい。
他にも、前駅舎のマンサード型をモチーフにしたものはあったけれど、
記憶の中では、やはり一等いいのかもしれない。
ただ、駅舎本体のみの提案で終わってしまっているのが、残念。


 
番目、小島案、屋根HPシェルとカーテンウォールディテール。
完全なカーテンウォール派。
構造のシルエットだけ見ていると、とてもきれい。
駅の場所で山並みのシルエットというのも岩見沢は、新鮮な発想ではある。
だから、屋根からカーテンウォールにかけてのまとめ方は、すばらしい。
ただプランは、ちょっと好みではないかな。



優秀賞その3:巨大な石炭のマッス、ホームレベルで大きく開いたピロティ、
8番目、清正・田中案
一般公開の時から、印象に残っていた案ではありましたが、
ホーム側をピロティで解放する意味が、岩見沢駅で果たしてあるのだろうか。
駅北側の広大なJR敷地が、見通しよく開放されてどんな効果があるのだろうか。
発想は大変ユニークでおもしろいが、岩見沢市民はこの駅舎を意図通り使いこなせないと思う。
実現を目的にしている以上、立ち上がった時点で、
利用者のレベルを超えていて使いこなせないのでは、どうにもならない。
(古いかな・・)



最後が
9番目、玉田案。
壁派でもなく、カーテンウォール派でもない解放派。(スライディングドア)
北海道で有数の豪雪地帯『岩見沢』で、このスタイルのトップライトは、
相当の実績を積んでいないと、まず意図通り機能させるのは難しいでしょう。
でもそのトップライトがあってのプランだから、魅力的ではありますが、
冬の温熱環境の維持は、どうなんだろう。
そこで生活し、環境の厳しい実態を知っている我々としては、否定的にならざるを得ないのです。

*

そんなことを当然わかっている審査委員が、8名中5名もいるのに、
なぜその辺の考慮が明らかに不足していると思われ案が、あえて優秀案に選ばれたりしているのだろうか。
ということ考えたときに、審査にある意図を感じずにはいられないわけです。

やはり建築家は、その建物で鮮烈な印象を、人々に与えられなければ失格ですよ。
と、まず第一に言われているような気がします。
そして、若いみずみずしい感性を育てようとしたのかな・・
(ただ、ここ岩見沢では、荷が重すぎなければいいけど。)

聞くところ、道内からもたくさんの応募があったと思います。
あまりにも寒さや雪で苦労してきた我々は、
最初の段階から、もうすでに自由に解放されて発想することが、不可能になってしまっているのかもしれません。
(でも、上記9作品に対抗できるような良い案が、
ほんとになかったのかなって、道内応募者はみんな思ってるでしょうね、きっと。)

*

関連サイト
http://www.jr-iwamizawast-compe.jp/




『森の中の駅舎』
JR岩見沢駅設計競技・見事に落選した武部案



写真クリック・その3

各出入口、地元空知産カラマツ大径木の列柱と木組みのカーテンウォールとで、木に特化して。

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『森の中の駅舎』・その5



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