安藤忠雄ツアー

 彼の建築はその出身地、大阪を中心に多く展開している。




今や世界をまたにかける人気建築家。
せっかく日本にいるんだから、
そんな彼の国内の作品を観てみようと出かけてみました。




当然メディアにも頻繁に登場するので、
一般の人にもっとも知られた建築家の一人になってます。
ちょうど小学館発行の『和樂』9月号
(「和」の心を楽しむと副題がついてます。)
でも特集を組んでました。
その中で、
「宮沢りえさんと安藤忠雄建築を逍遙する。」
という彼の建築を8ヶ所巡るコーナーがあったので、
じゃあ、とそのコースを辿ってみることにしたのです。


第2話・9月6日その3




 3の3.直島家プロジェクト&ピンポンギャラリー


島全体がアートしてる。

 「直島・家プロジェクト」は、本村(ほんむら)地区に残る古い家屋を改修保存し、1軒につき1人の現代美術のアーティストが作品を制作、永久展示しているプロジェクトです。




南寺 / Minamidera

作家:ジェームス・タレル
建築家:安藤忠雄



 

建築は、コンクリートの安藤忠雄が木造でやってる。
外壁は開口なしの全面杉板張り。
縦横に重ねて出した深い庇に注目。
それに竹の植裁が映えて美しい。
中にジェームス・タレルの作品があるのだが、
真っ暗闇の中を係員に誘導されてはいっていくと、
暗闇に目が慣れてきた頃に、向こう壁がボワーッと白ずむ、というもの。
結構面白い。




 
角屋 / Kdoya

作家:宮島達男
修復監修建築家:山本忠司


撮影禁止だけど、思わず撮っちゃった。
(ごめんなさい!)
タイトルは、「Sea of Time '98」
たたずんでいて、とても気持ちが安らぎ、なぜかいつまでもあきない。
水深10Bくらいの中の三色のカウンターナンバーが、
様々な時間差で
0〜9をただカウントしている、
というだけのものなんだけど。
他に4~5人いましたが、みんなジーッと廻りの板の間に座ってたたずんでました。
いろんなもの思いに簡単に入り込めちゃうということなのかな。
こんなに長時間見せる現代美術は、あまりないのでは。


 
左写真は、南寺から角屋への道すがら見かけた崩れかけた塀。
こんな風に歴史の古さを感じさせる。
一方、この建物のきれいに修復された塀。



入るとすぐ右手に蔵があり、そこに一つ目の展示作品がある。
いい感じの蔵で、1.5間の2.5間くらいの小さなもの。
そこの棟にかかるいい感じの梁。

街並のスケール感覚は北海道の感覚からすると0.6掛けというところか。
フェリー乗り場に軽自動車がなぜか多かった理由がわかりました。
基本的に車なんかが走る街並みではないですもの。




 ピンポンギャラリー

昭和10年代に、
直島の北を占める「三菱マテリアル」の所員のために、
牛乳を飲ませるために乳牛を飼う牛舎として建てられました。
その後、
幼稚園や音楽教室、卓球場
(ピンポン)などに転用されてきましたが、
2001年9月、直島コンテンポラリーアートミュージアムによって
ギャラリーとして改修され、
現在は、
企画展スペースとして使用されています。



いかにも、牛舎という感じがなくはない。


 
そこにガラスを立て込んで展示空間に。
屋根は小波鉄板葺き、外壁は板張り。


 
そこで、安藤忠雄設計の新美術館のプランニング展をやっておりました。
来る途中、工事現場の前を通って来ましたが、
さかんにダンプが行き交ってました。
模型によると、これまた山の中に埋め込まれています。
2004年7月の完成がまた楽しみですね。


 
小屋組と白い壁の対比が美しい。




というわけで、
直島には9月5日午後9時から翌日の午後2時くらいまで滞在してました。
ここでも、歴史のある島・街の文化度の違いを、
強く感じないわけにはいきませんでした。



4.淡路夢舞台 

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建築家・安藤忠雄の似顔絵は、日経アーキテクチャー編の「建築家という生き方」から
抜粋させていただきました。



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