Story 物語

札幌市・Tさん宅
夫婦

関東地方でマンション住まいをしていたTさんには、リタイア後の夢がありました。それは「札幌の実家敷地を活用して、コツコツと集めたデンマークのビンテージ家具がしっくりなじむセカンドライフの家を建てること」でした。そして2020年、地域の工務店を巡って、新築依頼先を探しました。「最後に訪れた武部建設のモデルハウスを見た瞬間、持っている家具がすっきりと収まった風景が脳裏に浮かび、ここにお願いしたいと思いました」と言います。

自社林のカラマツ「トヨエモン」の丸太柱とアールを描く上がり框が印象的な玄関ホール。床はカラマツ無垢材を採用

玄関には土間床のシューズクロークも完備

1階の書斎には、Tさんお気に入りのボーエ・モーエンセンの家具がぴったりと収まる

武部建設はモデルハウスの仕様、つくりをベースに、Tさんのコレクションがすっきり収まるよう、間取りを修正し細部を調整。当時、関東に住んでいたTさんとメールで頻繁にやりとりをしながら、プランをつくり上げました。「担当者の佐藤さんは、いつでもたくさんの引き出しから要望に叶う答えを見つけ、すぐ図面化して送ってくれました。また、急かされることもなく、じっくり考えられたので納得のいくプランができました」と、Tさんは満足そうに話します。

左:マカバやタモ、ナラを用いた階段は、蹴上が低く上り下りしやすい。タモ無垢材を用いた造作の手すりは、握りやすいように内側に手刻みの細工が施されている
右:ダイニングのテレビ台とエアコンカバーは、段ボールの試作品でサイズ感を調整後に造作。随所に見られるこうした工夫や細部まで心の行き届いた施工が、Tさんを喜ばせた

キッチンの吊り棚は、奥さんの使い勝手の良い高さや奥行きを優先し造作。高さを抑えることで採光窓も設置でき、明るい家事空間になった

キッチンと水まわりは、コンパクトな動線で結ばれ、家事効率も良い。カウンター収納は、長年愛用してきたものを再び用いた

2022年3月までの施工期間中、Tさんは毎月のように札幌を訪れ、工事の進展を見守りました。「若手の棟梁は、現場での要望にもフレキシブルに対応してくれました。また、左官や造園などの職人さんのセンスも抜群。武部建設と出会えたお陰で、人の10倍は家づくりを楽しめたと思います」と、Tさんは感慨深げに振り返ります。

左:ユーティリティの向かい側にあるトイレにも、造作の手洗いを設置。アクセントウォールの壁紙は、吟味に吟味を重ねたという
右:造作の洗面台、収納棚を設置したユーティリティは、物干しに便利なバルコニーにも近接

そして、春の訪れとともに新しい住まいが完成。お気に入りの家具たちが長くそこにあったかのように収まる住まいは、ご夫妻が夢見た空間、そのままでした。古くからの住宅街に立つTさんの住まいは、2階にLDKと水まわりを配置。寝室のある1階は天井高を抑えてあります。「2階のLDKは陽当たりと景色が良いので、日中は活動的に過ごせ、夜は落ち着いた雰囲気の1階でゆっくり眠れます。生活のリズムが自然に整う間取りにも、設計の細やかさを感じました」と奥さん。

階段を上がるとすぐに、食材のストックに便利な外気導入型のパントリーも完備したキッチンにアクセスできる

丸太現しの造作間仕切りに、愛用の木製キャビネットがあつらえたようにぴったりと収まったリビング。「モデルハウスで見た間仕切りの横幅がキャビネットと同じサイズだったんです。偶然の一致に運命を感じました」とTさん

ご夫妻が「住んでみて驚いた」というのは、住宅性能の良さ。冬でも素足が心地よく、夏は冷房を少し入れるだけで涼しくなります。新居はヒートポンプを採用したオール電化住宅ですが、24時間エアコンをつけていても、この冬の電気代は思ったほど高くなかったといいます。「契約時に断熱性能計算の説明もあったので、武部建設の住宅性能には信頼をおいていましたが、改めてその快適さと燃費の良さを体感しています」と、Tさんは笑顔で話します。武部建設ならではの確かな性能を宿した住まいは、ご夫妻のこれからの暮らしを頼もしく支え続けることでしょう。

庭を窓越しに見下ろすリビングは、陽当たりバツグン。構造現しにナラの無垢床を採用したくつろぎ空間に、ビンテージ家具がしっくりとなじんでいる

Replan北海道vol.140掲載