KONDOヴィンヤード納屋移築再生工事
設計:株式会社フーム空間計画工房+武部建設株式会社
用途:農産製品貯蔵施設
建物の構成
階数:2階
延べ床面積:111.22㎡
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2024.11.15
93年前の建物の解体から始まる。
マンサード屋根であり、もともとは馬小屋でもあったみたいです。
外からの見た目は時間をかけて維持修繕を重ねた痕跡が目立ちます。外壁や屋根もやり替えています。
解体が始まり、外壁や屋根で雨風から守られていた架構は
現代に復元可能な状態を保っています。
調査の中で手板を発見する。
建設時の架構がわかる大事なメッセージの一つです。
次回は解体から新しく生まれ変わるための大工さんの墨付け手刻みと基礎工事の流れをご説明します。
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2025.06.16
今回は大工さんによる建方の工程をご紹介いたします。
土台が敷かれている箇所に柱を設け、梁をかけていきます。
梁せいの大きな順番に建物基準となる骨組みを形成します。
この大きな太鼓梁(皮を剥いた丸太の側面を落とした材料のこと。)が二間のグリット(格子のような縦横の寸法が同じ基準となる矩形のこと)を生み出すことで室内の空間に木材の存在感による空間構成とモノを置くときにも使いやすいように基準を示してくれます。
大梁(太鼓梁)、小梁をかけていき二階の床を敷いていきます。
二階の床にまた柱を設けて梁をかけます。
棟木が組まれることで上棟になります。
垂木を並べていきます。
墨が通るように一本ずつ1㎜の誤差も逃さずに調整していきます。
屋根工事に向けて架構が完成に近づいてきました。
次回は屋根工事の断熱気密工事についてご紹介いたします。
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2025.05.13
今回は大工さんの現場乗り込みまでの過程をお届けいたします。
解体の現場から運んできた材料は工場で広げます。
一本ずつ丁寧に通り芯で基準をつくり
再生可能な材料であるのか判断します。
棟梁の墨を基に加工。
刻む。
一方、現場の様子は、、、
大工さんの乗り込み、建物のはじまりとなる基礎を施工中。
今回は石場建ての箇所もあるため、解体と同時に石も調達!
いい感じに成り立ちました。
土台を敷くことで基礎班から大工さんにバトンが渡ります。
次回はいよいよ架構が現場に建てられます。
お楽しみに。 -
2025.07.01
今回は内装工事についてです。
内装の仕上げは土壁ということで下地の準備を行います。
建築の作業は単純に見えて複雑であり、段取りに多くの試行錯誤を積み重ねて成り立ちます。
間柱の間に断熱材を敷き詰める作業は強風でも外れないほどの精度で、寸法を精度良く測り効率的に行います。
外の景色が徐々に見えなくなり畑と連続した空間は室内へと変わりつつあります。