Staff report 社員レポート

2020.10.13事務所

最近設計について考えていること

佐藤元太(事務所スタッフ)
2011年入社 2020.3.2記

2月13日に大工さんの完成見学会をK邸、N邸書庫で行いました。若い大工さんを中心に、多くの人が見に来てくれました。自分の入った現場が、どのような形で仕上がって、引き渡されているかを見る機会でもあり、他の人の仕事を見る機会でもあります。

また昨年、S邸、I邸(ともに北広島)においても、現場の帰りに寄って見てくれた大工さんもいました。

そこで、ここ数年、設計・プランニングで意識して取り組んでいることを書かせていただきたいと思います。

標準化するところとオリジナリティを出す部分。敷地の形状や周辺の環境、その土地の法規的な制限、そして依頼者の要望・予算などはみな違い、一つとして同じ条件はありません。

数えてみると自分で最初の基本設計から引き渡しまでを担当したのは入社8年間(最初の2年間はリフォームと定期点検を担当していたので実質6年間)で11件でした。その中で段々と自分の得意なパターンやプランニングのコツみたいなのが掴めてきました。設計スクールやセミナー、外部の見学会に参加させていただきその中で学んだことを実践できている部分もあります。

得意なパターンや型を持つことでプランニングのスピードと出来方の平均値が上がってきているように思います。それぞれプランは異なっても、共通の納まりにすることで施工性と作図スピードのアップ、そしてミステイクを減らすことに繋がります。例えば構造(階高、矩計)、断熱仕様、開口部廻り(窓・玄関ドア)、屋根軒先廻り、建具廻りなどは納まりや仕様を極力決めています。ただし担当する棟梁によって、仕事のしやすさや感覚に差違があるので都度相談しながら、作り手の個性みたいなものも上乗せできたらと考えています。

また仕事量をこなすことも自分の課題です。

新築以外にもリフォームや定期点検のアフター・メンテナンスなど、やらないといけない事が多くあります。その中で、どれだけ設計に時間を割けられるか、その限られた時間の中で自分でも満足いく設計をどうやったらできるかを考えると、相反するように感じますが詳細な図面を徹底的に描く事が近道なように感じています。

現場での打ち合わせの時間が少なくなり、後戻りのできない手切れの良い仕事ができます。急に現場に呼ばれて、ああだこうだ頭を悩ませず現場での対応を必要最低限にできます。そうして生まれた時間を、次の設計(無理、無駄のない納まりの良い)に充てるといったサイクルを作りたいと考えています。