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木材の加工をあらかじめ工場で行ってから現場に搬入されるプレカット工法が増えた昨今、家づくりの現場で活躍する大工の技量はさまざまです。その中にあり、自らの手で荒木から部材を削り、継ぎ手の切り込みなどを手作業で仕上げる伝統技術を受け継いでいるのが、武部建設の自社大工たちです。

従来から行われてきた木造住宅の家づくりの工法である在来工法で、家の躯体となる木材同士をつなぐ継ぎ手の切り込み作業も、武部建設では1本ずつ手作業で行います。あらかじめ継ぎ手が加工された部材を扱うプレカット工法が主流の今日ではすっかり珍しくなった作業工程のひとつです。
「大工は腕を売る仕事。手間をかけてきちっと家をつくるのが私たち誇りです。しかし今は無垢の木材ではなく集成材を使うことも多く、新しい工法も覚えなくてはならない。幅広い技術を持って何でもこなせないと一軒の家を建てられません」と語る大工・船田慎人さんもその一人。武部建設では在来工法による新築のほか、民家再生にも力を入れていて、そこでの経験が糧になっているそうです。

船田さんのような年長者の技術と経験は貴重な財産。若手大工たちも積極的にその教えを請い、学んでいます。
「うちは手作業が多い現場なので、日本に古くから伝わる伝統工法の技術が残っているほうですが、それでも民家の構造を見たり解体や再生に携わると、昔の技術はすごいなと感じますし、とても勉強になります。また武部建設の現場では年配の大工と一緒に仕事ができるので、その豊富な経験と知識を学べることがありがたいですね」と船田さん。

一人100本以上持っているという大工の手道具には魂がこもっているといいます。みなさんそれを大事に使い、仕事後には毎日手入れを欠かさないそうです。
最新工法でも民家再生でも、必要なのは技術と経験。先人が培ってきた伝統の上に現代のニーズに適応した技量を積み上げ、どんな仕事がきても「腕」で応えられるようにと、日々研鑽を続けています。